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活況の大阪。大型再開発プロジェクトと関西万博、IR統合型リゾートが起爆剤に。
2024年9月10日掲載
9月6日にJR大阪駅北側の再開発地区に「グラングリーン大阪」が開業、大きな話題になっています。
JR大阪駅の北にあった旧梅田貨物駅、「大阪最後の一等地」といわれた24万平方メートルの広大な跡地の再開発事業「うめきたプロジェクト」。
2013年にまず「グランフロント大阪」が先行開業し、オフィスと店舗、ホテルが集積したこのプロジェクトは、今までの関西には見られなかったタイプの「新しい街」となり、人の流れと景色を一変させました。
そして今回、第二期の「グラングリーン大阪」も11万平方メートルを超えるオフィスを供給、関西を代表する企業、クボタ、塩野義製薬や富士通の大阪オフィスなどが移転し、グランフロント大阪と合わせると700社が「うめきた」に集積されるといいます。
またホテルは、まず「キャノピーbyヒルトン」が開業、来年2025年にはヒルトンの最高級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」も開業を予定。最高峰の「ウォルドーフ・アストリア」の日本で最初の開業が大阪・梅田ということからも、この地区の今後のポテンシャルの高さが分かります。
そしてその周辺、梅田の南側では2022年に「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」、西側では今年の夏に「JPタワー大阪(日本郵便)」と「イノゲート大阪(JR西日本)」が相次ぎ開業。この後も、阪急阪神ホールディングスが大規模開発を行う予定で、この「北」大阪・梅田駅周辺に、関西の主力企業の多くが集まることになります。
大阪「天下の台所」・中之島も動き出す
一方梅田から歩いて約10分、大阪を「天下の台所」と言わしめたかつての日本の商業の中心地「中之島・堂島」の再開発も着々と進んでいます。
まず中之島の北にある「東洋紡」の旧本社ビルを8月末に関西電力系の不動産会社が香港の不動産ファンドから300億円超で取得、親会社の関西電力本社のある中之島地区とともに大規模再開発を進めていくといいます。またこの地域では、オフィス以外にも「居住用の超高層マンション」の開発も相次ぎ、堂島の「電通大阪ビル」の跡地には「フォーシーズンズホテル」と分譲マンションの「ブリリアタワー堂島」が入る49階建て超高層ビルが完成。その1部屋の最高価格は10億円を超えました。
出遅れていた大阪の上昇余地は大きい
日本第2位、世界でも有数の大都市・大阪ですが、その関西のマンション価格は今まで「東京の約70%以下」の水準で推移していました。香港の約1/4、ロンドンと比べても約1/3と、世界的にみて非常に割安な状態で、まだまだ上昇余地を残していると見られ、海外からのインバウンド投資も急増し、マンション価格の急激な上昇が始まっています。
先述のグラングリーン大阪の高層マンション「ザノースレジデンス」の第1期は平均倍率17.3倍で即日完売。最上階の価格は1部屋で25億円、平均も約2億3200万円でした。
また定期借地権物件の「シエリアタワー中之島」は最高で4億円を超え定借では関西で最高の金額となり、これらの大型・人気物件が大阪のマンション価格の上昇を引っ張っています。
そしてこの流れは今後、大阪の近郊にも広がっていくと見られています。このような大阪の数十年に一度の大きな変貌によって、不動産マーケットはますますの活性化が見込まれます。
活力が景気を押し上げる大阪のポテンシャル
かつて日本最大の商業都市だった大阪。これから「関西万博」、「IR開業」など、大きなイベントが続いていきます。万博やIRには否定的な声も上がりますが、これらは決して大阪の発展のブレーキになることはなく、むしろ強いアクセルとなって、今以上の活力・活気を産み出し大阪の景況感は間違いなく上昇していくでしょう。
大阪には「魅力的なコンテンツ」があふれています。「食」と「笑い」、「USJ」などなど、大阪のコンテンツは誰が見ても日本一。人と街の活気は東京も名古屋もかないません。
阪神タイガースの連覇の可能性もまだ消えてなく、万が一タイガースが優勝となれば、大阪、ひいては関西の盛り上がりは爆発し、止めることは不可能になりそうです。
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