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覚えておきたい!新NISA講座 第5回 成長投資枠・つみたて投資枠の使い分け
2023年10月16日掲載
(最終回)
2024年から始まる「新NISA」に関するニュースも多くなり関心度が高まってきています。
この「新NISA講座」も今回が最後の連載となりました。前回は「つみたて投資枠」について紹介しましたが、今回は新NISAの「2つの投資枠の併用」についてご説明します。
目的や運用期間に合った活用方法を考えてみましょう。
新NISAの「年間投資上限額」は、「つみたてNISA」の機能を引き継いだ「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」は240万円の合計360万円です。
生涯で利用が可能な「非課税限度枠」は1,800万円。うち成長投資枠として利用できるのは1,200万円です。なお、非課税で保有できる期間は無制限となります。
2つの枠を併用して、この毎年の限度額をきれいに使用しての投資することが理想です。
しかし無理に限度額を使い切る必要はありません。余裕を持ち投資に向かいましょう。
「2つの投資枠」活用のポイント
①「成長投資枠」はインフレ率を上回るリターンが得られる商品を選ぶ
現在、世界的に物価は上昇基調です。現預金で置いておくと資産が目減りする可能性もあります。インフレは「物の価値が上がる」、「通貨の価値が下がる」の両方ですから、インフレへの対応力のある企業群を選別して投資することがポイントです。インフレで商品やサービスの価格が上がれば、基本的には企業の利益も増え株価にも反映されることが期待されます。
株式はインフレに強い資産と言われています。しかし、インフレですべての企業の株が上がるわけではありません。インフレ下で業績が低迷する企業もあります。この時、長期的な視点では買い増しのチャンスの可能性もあります。インフレと株式の関係性を理解し、運用できる商品を選択しましょう。
②「つみたて投資枠」は長期目線で
「つみたて投資枠」は、長期目線で考え開始年齢が早ければ早いほど有効な投資枠です。現在手元資金に余裕がなくても、10年~30年の期間を考えて投資をするならば、投資対象地域が広い「全世界株式」インデックスファンド(指数連動型投資信託)などを積み立てるところから始めると良いと考えます。自動で毎月 投資してくれるため手間が省けていいかもしれません。無理のない金額からはじめましょう。
そして、購入の前に「シミュレーションをしてみる」ことをおすすめします。ご自身のご収入、これから必要になる資金、結婚、住宅購入、子育てなどライフイベントを考えて、毎月いくらつみたてが可能か、目標金額をどの程度で設定するか、シミュレーションをすると具体的なつみたて金額が把握できると思います。
資産運用シミュレーション : 金融庁 (fsa.go.jp)
もし「途中解約」をしたい時は。
最後に「売却」「解約」についてご説明します。
「NISA」は長期運用を前提としていますが、急な出費で運用資金を取り崩さないといけない時もあるかもしれません。その際「成長投資枠」と「つみたて投資枠」両方に投資していた場合、どちらから売却した方がいいのでしょうか。
「成長投資枠」は、投資対象によりますが一般に投資対象商品の変動幅は「つみたて投資枠」の商品群より大きいと思われます。個別株などに投資している方であればタイミングを見て売却できる「成長投資枠」からの売却を検討されてもいいでしょう。
また「つみたて投資枠」の対象商品は、インデックス型が中心で長期分散投資の商品群です。これらも途中での一部解約や積立額の増減も可能です。購入時と同じように、複数回に分けて売却することで価格変動リスクを抑えることが可能です。すべてを一度に売却すると、結果的に基準価額が安い時に売却してしまった、という可能性があります。
なお、販売金融機関によって「NISA口座」で取り扱う商品は異なるため、自分が購入したい商品を購入できるかどうかを確認しましょう。
これまで5回にわたり、来年の1月から開始される「新NISA」の解説を連載してきましたが、これ以外にも「新NISA」についてご不明な点は、お気軽に安藤証券の担当者に問い合わせください。丁寧にご説明いたします。よろしくお願いいたします。
解説動画『どう変わる⁉ 新NISA』
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