証券税制
投資信託の税金
投資信託のお取引にかかる税金の概要についてご案内いたします。
最終更新2024年11月
ここでは、主に株式投資信託(約款上、株式に投資できることになっている投資信託)にかかる税金についてご案内いたします公社債投資信託の税制は特定公社債等の税金の税金をご覧ください。
なお、上場の投資信託(ETFやREIT)の税金については株式取引の税金に準じます。
【もくじ】 | |
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投資信託の譲渡益・償還差益にかかる税金 | |
● 投資信託の譲渡益の税率 | |
● 投資信託の譲渡損失の繰越控除 | |
● 「特定口座(源泉徴収あり)」で確定申告不要 | |
投資信託の配当金・分配金にかかる税金 | |
● 普通分配金と元本払戻金(特別分配金) | |
● 投資信託の分配金の税率 | |
● 上場株式等の譲渡損失との通算(申告分離課税) | |
● 配当控除(総合課税) | |
投資信託等の二重課税調整制度(2020年から) |
投資信託の譲渡益・償還差益にかかる税金
投資信託の譲渡益・償還差益の税率
株式投資信託の譲渡益にかかる税金は、基本的に上場株式等の税制と同様です。
投資信託の換金方法は「解約」「買取請求」または運用期間満期(早期に繰り上げる場合あり)による「償還」があります。いずれの方法で換金した場合も、発生した利益に対する税率は下記の通りです。
投資信託の譲渡所得等は「申告分離課税」の対象となっており、年間の譲渡益の合計に対し20%(所得税15%、住民税5%)の税率 が適用されます。
また「復興財源確保法」が施行されたことにより、令和19年まで譲渡益・配当等の所得税額に対し2.1%の復興特別所得税が課せられます。
令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | |
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所得税 | 15.315% (含む復興特別所得税) |
15.315% (含む復興特別所得税) |
15.315% (含む復興特別所得税) |
住民税 | 5% | 5% | 5% |
計 | 20.315% | 20.315% | 20.315% |
投資信託の譲渡損失の繰越控除
投資信託の譲渡による損失については、その年に控除しきれない分(同年の譲渡損失から譲渡益を差し引いても残る損失) を損失が発生した翌年以降3年間繰越することができます。繰越した損失分は翌年以降の取引における株式等の譲渡益と相殺 することが可能です。
- この制度の利用には、お客様による確定申告が必要です。
- 3年間損失を繰り越すためには、取引の有無に関わらず3年間毎年確定申告をする必要があります。
「特定口座(源泉徴収あり)」で確定申告不要
特定口座を「源泉徴収あり」で開設している場合、 譲渡の都度、源泉徴収・還付が行われるので、確定申告が基本的に不要となります。
ただし、「譲渡損失の繰越控除」の適用や、他の証券会社等との複数口座ならびに一般口座との損益通算など利用するためには 確定申告を行う必要がある場合があります。
投資信託の分配金にかかる税金
普通分配金と元本払戻金(特別分配金)
投資信託の分配金は「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」に分けられます。このうち普通分配金が課税対象となります(元本払戻金は非課税)。
「普通分配金」と「元本払戻金」は、個別元本を基準に分けられます。
【個別元本】 投資信託の受益証券の買付価額(手数料・消費税を含まない)が「個別元本」となります。同一銘柄を複数回異なる基準価額 の時に取得した場合は、その都度保有口数で加重平均して求められます。 |
例えば、ある株式投資信託で収益分配が行われたとき、分配落ち後の基準価額が下記のようだったとします。
分配前の基準価額 | 12,000円 |
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収益分配 | 2,000円 |
分配落ち後の基準価額 | 10,000円 |
パターン1:個別元本が9,000円だった場合・・・
分配落ち後の基準価額が個別元本を上回っている場合、分配金全額が「普通分配金(課税対象)」となります。
『分配金=普通分配金』
パターン2:個別元本が11,000円だった場合・・・
配当落ち後の基準価額が、個別元本を下回っている場合、個別元本を下回る部分が「元本払戻金(非課税)」となり、 『分配金-元本払戻金』部分が「普通分配金(課税対象)」となります。
- 元本払戻金が発生した場合、その部分を「元本の払い戻し」とみなして元本払戻金分を控除した額に個別元本が 変更されます。
- 平成12年3月31日までに取得した追加型株式投資信託については、平成12年3月31日の平均信託金が個別元本として 取り扱われています。
- 元本払戻金は、以前は特別分配金という名称だったため目論見書やwebサイト等で随時書き換えが行われています。特別分配金の表記のままになっているものに関しましては、元本払戻金と読み替えていただきますようお願いいたします。
投資信託の分配金の税率
投資信託の分配金は支払いを受ける際に(普通分配金部分に対して)所得税・住民税が源泉徴収されますので、基本的に確定申告は不要です(申告不要制度を選択の場合)。
分配金に対する源泉徴収には20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用されます。
また「復興財源確保法」が施行されたことにより、令和19年まで譲渡益・配当等の所得税額に対し2.1%の復興特別所得税が課せられます。
令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | |
---|---|---|---|
所得税 | 15.315% (含む復興特別所得税) |
15.315% (含む復興特別所得税) |
15.315% (含む復興特別所得税) |
住民税 | 5% | 5% | 5% |
計 | 20.315% | 20.315% | 20.315% |
上場株式等の譲渡損失との通算 (申告分離課税)
分配金は申告分離課税を選択して確定申告することにより、上場株式等の譲渡損失と損益通算が可能です。
また、特定口座をご利用の場合は、下記の条件を満たすと確定申告をしなくても株式・公募株式投資信託・特定公社債等の配当金・分配金・利金と、特定口座で発生した株式・公募株式投資信託・特定公社債等の譲渡損益を通算することができます。
- 特定口座「源泉徴収あり」を利用している
- 源泉徴収口座内配当等受入開始の届出をしてある(受入終了の手続きをしていない)
- 株式の配当金の受け取り方法に「株式数比例配分方式(証券会社の口座内で株式等の配当金を受け取る方式)」を選択している
配当控除(総合課税)
配当金・分配金は総合課税を選択して確定申告することにより、配当控除の適用を受けることが可能です。配当控除率は投資信託の信託約款に定められた運用資産の割合によって変わります。
総合課税を選択した場合の税率は累進課税となります。
- 外国投資信託(下記参照)の分配金には配当控除の適用は受けられません。
投資信託等の二重課税調整制度(2020年から)
これまで、お客様が証券会社等に開設している口座で保有する投資信託等について、外国株式への投資から得た利益が分配金に含まれている場合には、その投資信託等が外国において徴収された納税額(外国所得税額)と、お客様が受け取る分配金に対する所得税等で、二重に課税が行われている状態にありました。
これについて、2020年1月1日より外国所得税額を考慮して所得税等が課されることとなりました。
この二重課税調整措置について、お客様で必要な手続きはなく、2020年1月1日以降に支払われる投資信託等の分配金に対して、自動的に適用されます。
詳しくはこちら:投資信託等の二重課税調整制度開始のご案内(PDF)
投資信託等の二重課税調整制度(2020年から)
外国投資信託とは、国外で設定された投資信託のことです。ここではそのうち外国株式投資信託の税金について概要を記します。
- 買取請求・償還(外国投資信託は解約請求の取扱いはありません)により発生する譲渡所得については国内株式と 同様に申告分離課税の対象となります (税率は前述の通り)。
- 国内の金融商品取引業者を通じて交付を受ける外国投資信託の分配金については、国外で源泉徴収された税がある 場合、税引後の配当金に対して国内においても源泉徴収されます。ただし、確定申告することにより、「外国税額控除」 の適用を受けることもできます。
- 外国投資信託については特定口座で管理できるものと、そうでないもの(当社独自ルール含む)があります。 詳しくは、お取引毎にご確認ください。
【ご注意】
上記は、お客様の属性および金融商品の諸条件によりこの限りでない場合があります。詳しくは、所轄の税務署等にお問い合わせください。
投資信託のお取引について |
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投資信託には下記のようなリスクがあります。
*リスクなどについては「投資信託説明書(交付目論見書)」に詳しく記載されておりますので、お申し込みにあたっては「投資信託説明書(交付目論見書)」の内容をご確認ください。 【手数料、諸費用】
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