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証券新報 2004号

米国新車販売台数(データの出所はオートデータ)米国の調査会社であるオートデータがまとめた2月の米国新車販売台数は前年同月比5.3%増の125万7619台となった。米国では2月に北東部で記録的な寒波が発生、伸び率は1月から鈍化したものの、年率換算では1623万台と高水準を維持した。けん引役となったのはピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)などの大型車で、大型車の販売台数が前年同月比11.8%増と2ケタ増となったのに対し、乗用車は同1.4%減と小幅ながら3カ月ぶりの減少に転じた。ガソリン価格の下落や低金利が大型車の販売増に寄与したものと考えられ、当面はこうした傾向が続くとの見方が大勢となっている。米国の新車市場では大型車が全体の過半数を占めているのが一つの特徴となっている。リーマン・ショック直後には燃費性能に優れ、価格も手ごろな小型乗用車やハイブリッド車などに需要がシフトしたが、雇用情勢の改善などに伴って大型車の販売が順調に回復、このところのガソリン価格の下落が販売増を一段と後押ししている。大型車の販売では米国勢が強みを持っており、燃費性能や小型車に強みを持つ日本勢は相対的に苦戦することが想定されるが、2月に限ってはトヨタ自動車が前年同月比13.3%増を達成してシェア2位に浮上し、SUVに強みを持つ富士重工業が同18.5%増となるなど健闘していると見てよいものと思われる。市場拡大が続く一方、低金利ローンなどを活用した販売競争が激化している側面もあり、日本勢としては引き続き厳しい競争を強いられるとの指摘もある。収益源である米国市場でどのようにして販売を伸ばしていくか、今後の取り組みが注目されるものと思われる。米国の新車販売が好調を持続02