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証券新報 1999号

1平成27年1月1日発行(毎月1日・15日発行)月 日URL : http://www.ando-sec.co.jp/新年のご挨拶詳細はP.3、 P.4をご参照ください。日立製作所6501 エイチ・アイ・エス9603 日本ロジスティクスファンド投資法人8967今号の◇通期業績予想を上方修正◇スイスABB社と高圧直流送電事業で合弁会社を設立◇ハウステンボスを運営する格安航空券大手◇三井物産系の物流施設特化型REIT安藤証券株式会社取締役社長 安 藤 敏 行謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は一方ならぬご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。 昨年を振り返りますと、日本経済は4月に実施された消費税率引き上げ後、4~6月期の実質GDP成長率が大幅マイナス(前期比年率換算6.7%減)、リバウンドが期待された7~9月期の成長率もマイナス(同1.9%減)と2四半期連続のマイナス成長となりました。10月には日銀によるサプライズ緩和が円安・株高につながり、日経平均株価は12月8日には18030円(ザラ場)を付けました。その後、年末にかけて、米国のシェールオイル増産やサウジアラビアの減産見送りなどによる原油安を背景に株価は調整しました。ただ、日本にとって最大の輸入品目である原油の価格下落は、メリットも大きいと考えられます。また、原油価格は短期的な調整を経たのち、今年後半には価格を持ち直す可能性があります。 今年、世界的にみて有望な投資対象地域は、昨年に引き続き、金融・財政政策の両輪が発動できる日本と最悪期を脱し、緩やかな景気回復軌道を辿っている欧州と考えられます。また、グローバルな過剰流動性(カネ余り)から、リスク資産への投資が加速すると予想されます。 日本については、デフレ経済からインフレ経済へ転換しつつあり、原油安と消費税率引き上げ延期がインフレのデメリットを打ち消して、株式には良い環境が整い、債券から株(REITを含めて)への資金シフトが今後数年先まで続くことが想定されます。その結果、株価バリュエーションが切り上がる余地は大きくなることから、現段階は株価上昇の序章に過ぎないとみられます。日本株上昇が見込まれる最大の要因は、昨年12月の衆院総選挙での与党大勝により、最長およそ4年(2018年9月の自民党総裁選挙まで)の任期となる安倍長期安定政権の可能性が高まったことで経済政策を実行できる点です。加えて、需給面では、日銀がETFとREITの残高をそれぞれ年3兆円、年900億円と、これまでの3倍の規模で増やすことを決定したことや約130兆円もの公的年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が昨年10月31日に発表した新運用計画で、国内株のウェイトを増加したことなど、国内株相場を直接的に下支えするとみられます。 欧州について、経済は緩やかながら回復傾向にあるとみられます。欧州の金融機関は2010年以降のデレバレッジ(資産規模の削減)により財務体質を改善させ、2013年にデレバレッジのピークを迎え、昨年からリレバレッジ(資産拡大)に転じており、貸出姿勢は今後も強まると予想されます。良好な投資環境により、今年の欧州株は強含みで推移するとみられ、なかでも銀行セクターは株価バリュエーションの切り上がりによる株価上昇が期待できます。 為替について、昨年年初は1米ドル=103円前後でしたが、10月31日の日銀の追加緩和を背景に一気に円安が進み、12月には1米ドル=121円台を付けました。今年のドル円相場は、公的年金の円売り圧力の高まりや日米の金融政策の逆行性(米国の量的緩和縮小と日本の追加緩和)などで、さらにドル高・円安が進むと想定され、想定為替レートを上回る円安は企業の増益要因となっています。ただし、投機筋の円ショートカバーもあり、円安のペースは緩やかとみられます。また、ユーロ円は、欧州の緩やかな景気回復を背景に長期的な円安基調が続くと見込まれます。長期的にも、日本は1000兆円を超える政府債務残高や経常赤字への転落といった構造的な問題を抱えていることから、円安が進みやすいと考えられます。 外貨に強い安藤証券を目指し、株式にとどまらず外国債券・外貨建てMMF等、さらに日本株・欧州株関連などの投資信託など、お客様のご要望にお応えできる商品のご提供に努めてまいりますので、本年も何卒一層のご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。