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証券新報 1994号

平成26年10月15日発行米国の雇用情勢が順調に改善2米国の労働市場情勢指数(LMCI、出所は米FRB)米国労働省が10月3日に発表した9月の雇用統計によると、失業率が前月比0.2ポイント低下の5.9%、非農業部門雇用者数が同24万8千人の増加となった。失業率が6%を下回るのはリーマン・ショック前の2008年7月以来、6年2カ月ぶりであり、非農業部門雇用者数の増加幅が事前の市場予想である21万人を上回る結果となったことから、米国の雇用情勢が勢いを取り戻したことがうかがえる。この結果を受けて金融市場では、米国の利上げ開始時期が早まるとの観測から長期金利が上昇し、ドル高が進んだ。ただ、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、雇用情勢の改善にはなお力強さを欠いている面があり、利上げに対しては慎重な姿勢を崩していない。背景として、賃金の伸びが緩やかなものにとどまっている点などが挙げられると思われるが、この点はFRBが新たに発表した「労働市場情勢指数」で確認することができる。労働市場情勢指数とは、失業率や労働参加率、パートタイム就労比率、労働時間、平均時給、採用計画など19の雇用関連指標を指数化したもので、数値が高いほど雇用情勢が力強く改善していることを示しており、これまではFRBの内部資料として利用されていたものである。今回初めて発表されたこの指数によると、9月は前月比0.5ポイント上昇の2.5に改善しているものの、水準は低いことがわかる。これまでFRB議長が利上げに対して慎重な姿勢を貫いてきた背景に、こうしたデータの裏付けがあったことが明らかになったわけであるが、一方で、失業率や非農業部門雇用者数の改善は力強い内容となっており、今後FRBがどのような舵取りを見せるかが注目されるものと思われる。-4-202468101214201001 201101 201201 201301 201401