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証券新報 1982号

平成26年4月15日発行米国の新車販売が3カ月ぶりプラスに米国の調査会社オートデータが4月1日に発表した3 月の米国新車販売台数は前年同月比5 . 7 % 増の1 5 3 万7 2 8 8 台となり、3カ月ぶりに前年同月比プラスに転じた。米国ではこの冬、東部や中西部が記録的な寒波や大雪に見舞われたため、この影響が一巡する3 月には回復することが見込まれていたものの、予想以上の回復となったとの見方もあり、米国経済の底堅さを反映する結果になったものと考えられている。また、首位のゼネラル・モーターズ( G M ) が大規模リコールを発表したものの、販売への影響は限定的だった模様で、日米大手6 社( G M 、フォード・モーター、クライスラー、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車) のうち、ホンダがマイナスとなった以外は順調に販売台数を伸ばしている。自動車産業はすそ野が広く、経済に与える影響も大きいため、今後の動向が注目されるものと思われる。米国で新車販売が好調に推移している背景には、リーマン・ショック直後に買い控えられた反動に加え、雇用情勢の改善や低金利の継続、株価の上昇による資産効果、シェール革命によるガソリン価格の下落など新車販売を巡る環境が良好な点が挙げられ、米国経済回復の象徴的な現象と捉えられている。ピックアップトラックや多目的スポーツ車( S UV ) など小型車と比べて燃費性能に劣る大型車の販売が好調に推移している点がこうした見方を裏付けているものと思われ、年間販売台数で首位の座を中国に譲ったとはいえ、我が国の約3 倍の販売台数を誇る米国は各メーカーにとって重要な市場であることに変わりはなく、新型車の投入などでしのぎを削っている。良好な事業環境を背景に今後も回復軌道をたどるかが注目されるものと思われる。2米国新車販売台数(単位は台、データの出所はオートデータ)