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証券新報 1978号

平成26年2月15日発行米国の雇用改善ペースが鈍化2月7日に米国労働省が発表した1月の雇用統計によると、失業率が前月比0.1ポイント低下の6.6%、非農業部門雇用者数が同11万3千人の増加となった。失業率の低下は3カ月連続で、2008年10月以来の水準まで低下、非農業部門雇用者数の増加幅も10万人を超えたことから、米国雇用情勢の改善が続いていることが確認されたものの、非農業部門雇用者数の増加幅が事前の市場予想(17万人程度)を下回ったほか、昨年11月までのペースから鈍化しており、足元で回復の勢いが弱まっていることを示す結果となった。ただ、改善ペースが鈍った要因の一つとして、米国に記録的な寒波が襲来し、経済活動に大きな影響を与えた点が挙げられており、雇用情勢を重要な政策目標の一つとして掲げる米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小に向けてどのような判断をするかが注目されている。米国ではこの冬、約70年ぶりの低温を記録する地点が出るなど記録的な寒波が襲来し、物流や生産活動、個人消費など広範囲に影響を及ぼしており、好調に推移していた新車販売台数が1月に前年同月比3.1%減と前年割れとなったほか、サプライマネジメント協会(ISM)がまとめた1月の製造業景況感指数は前月比5.2ポイントの低下となった。こうしたことから、記録的な寒波が雇用情勢にも影響を及ぼしていることは否定できないと思われるものの、一方で昨年秋口から住宅市場に鈍化の兆しが見え始めるなど景気回復の減速を示す指標が見られるようになっており、FRBの判断に注目が集まる要因となっている。年明けから量的緩和の縮小を開始したFRBは今後、難しい判断を迫られる可能性があり、新議長に就任したイエレン議長の手腕が問われることになるものと思われる。2米国雇用統計(出所は米国労働省)