証券新報 1970号 page 2/8
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証券新報 1970号
平成25年10月15日発行消費税率を来年4月に引き上げ政府は10月1日の閣議で来年4月に消費税率を8%へ引き上げることと消費税率引き上げの影響を緩和する経済対策を決定、安倍首相が同日実施した記者会見で明らかにした。消費税率の引き上げは1997年4月以来17年ぶりで、民主党政権であった2012年8月に成立した法律に基づくものである。今回の税率引き上げで約8兆円の税収増が見込まれる一方、5兆円規模の経済対策を実施することで税率引き上げの影響を緩和、経済再生と財政健全化の両立を目指す方針である。ただ、2015年10月に予定されている税率10%への引き上げについては、「経済状況を勘案して判断時期を含めて適切に決断する」と明言を避けた。今回の決定を巡っては、消費税率の引き上げがデフレ脱却に向けて動き出した日本経済に悪影響を与えるとの懸念から予定通りに実施するかどうかが注目されていた。結果は予定通りに実施するとの決断となったが、この背景には、経済再生と財政健全化を両立させるにはこのタイミングで消費税率の引き上げに踏み切るしかないとの判断があったものと考えられるほか、予定通りに実施した場合に想定されるリスクに対しては経済対策や一段の金融緩和策などで対処が可能と考えられることも影響したものと思われる。一方、引き上げを延期したり、凍結したりした場合には日本の財政に対する信認が損なわれ、想定不可能なリスクにさらされるものと考えられており、今回の首相の決断を評価する向きは多い模様である。来年4月の消費税率引き上げが決定したことで、今後は経済再生と財政健全化をいかに両立させていくかが問われることとなるものと思われ、今後の動向が注目されるものと思われる。2実質GDP(季節調整済みの前期比年率、データの出所は内閣府)- 20- 15- 10- 50510152008/ 1Q 2009/ 1Q 2010/ 1Q 2011/ 1Q 2012/ 1Q 2013/ 1Q